7/20(tue)  追悼 カルロス・クライバー














 FMを聞いていたとき、速報で指揮者カルロス・クライバーの訃報を知りました。。。
 1981年、TVで彼の《ばらの騎士》と《カルメン》を聴いて(というより)見てビックリし、それから他の現役クラシックプレイヤーとは別格の存在(注1)であり続けました。
 往々にして「立派な演奏」が多かった当時のクラシックで、猛烈に煽るテンポ、血のほとばしるようなオケの響きという点で唯一無二の指揮者でしたね。
 で、ちょうどそのころリリースされたベートーヴェンの交響曲第4番で完全にマイッてしまった僕は、どうしても彼の演奏を聴きたくなりました。
 極端に演奏活動が少ないことで有名なカルロスの来日公演が行われたのは1986年のことでした。
 高校3年生だった僕は会場(東京文化会館)に着いたときから興奮してました。知らないおじさんが「あ〜〜〜〜カルロス!」といいながらホールに入っていったのを覚えています。
 曲はベートーヴェンの交響曲第4番と第7番。オーケストラはバイエルンの州立歌劇場の楽団(当時主催者発表ではバイエルン国立管弦楽団という名前)。
 4番こそちょっと迫力不足を感じたものの、7番は凄絶!ただでさえ熱狂的なこの曲、カルロスは左腕をグォングォン振り回し、棒は空気を切り裂き、オケのサウンドが弾けとび、もう会場大熱狂でした。
 しかもアンコール《こうもり》の序曲でさらに煽りたて、いやはや・・と思ってたらトドメに《こうもり》の“雷鳴と電光”!!!
 コンサート前、吹奏楽部の先生で東京文化会館スタッフでもあったY氏に「ブラボー6回以上言ってね」と言われていた(注2)ので、恥ずかしながら叫びました。。
 
 結局彼の日本でのオーケストラコンサートはこの時が最初で最後だったので、行けて良かったです。
 それから10年ほどたって、最後の来日はウィーン国立歌劇場との《ばらの騎士》でした。
 でもお金なくて見に行けませんでした。何故かもう一つの演目《ボリス・ゴドゥノフ》(指揮はアバド)を選んでしまい、しかも同じ月にアバド&ベルリン・フィルのコンサートにも行ってたので。。。。アバド2度見るくらいなら、なんでどっちかやめてカルロスにしなかったかなぁ。
 その後何度かTVやFMでカルロスの演奏を聴きました。優雅なウィーン・フィルとの演奏も良いですが、ぼくはやっぱりバイエルンのオーケストラとの演奏が大好きでした。一度現地で聴きたかったなぁ。
 

(注1)その頃好きだったのは、クラウディオ・アバド&ロンドン交響楽団、リッカルドムーティ&フィラデルフィア管弦楽団のコンビ、それに客演だけどキレまくってた小澤征爾&ベルリンフィルハーモニーのコンビでした。
(注2)当時外国クラシックアーティストのコンサートでは、主催者やコンサートスタッフによって「ブラボー隊」が結成されて、演奏終了したらまず彼らが叫び、雰囲気に慣れてきたお客さんがつられてブラボーを叫ぶことがよくあったそうです。今は分かりませんが。

 

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